精神障害の労災増加、過去最高を更新
厚生労働省は6月28日、「過労死との労災補償状況」を取りまとめ公表しました。2023年度の精神障害(メンタルヘルス疾患)における労災補償の請求件数は3,575件(前年度比892件増)、支給決定件数は883件(同173件増)、支給決定された件数のうち自殺(未遂を含む)は79件で、いずれも過去最多となりました。
「医療、福祉」で最多
業種別にみると、請求件数、支給決定件数ともに「医療、福祉」「製造業」「卸売業、小売業」の順で多くなっています。「医療、福祉」の中でも「社会保険・社会福祉・介護事業」が最多でした。
職種別では、請求件数支給決定件数ともに「専門的・技術的職業従事者」が最も多く、「事務専従者」「サービス職業従事者」が続いています。支給決定件数を年齢別にみると「40~49歳」が最多で239件、次いで「20~29歳」(206件)、「30~39歳」(203件)となっています。
原因はパワハラ・セクハラなど
支給決定された発症の原因となる出来事では、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」(157件)、「業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」(111件)、「セクシュアルハラスメントを受けた」(103件)「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」(100件)、の順に多くなっています。