月の途中で時給を上げたときの月額変更届はどこからカウントする?
最低賃金の引き上げに伴い、10月1日から時給を上げた際に、賃金計算の締め日が毎月15日であった場合、月額変更届の計算期間はどこからカウントするのでしょうか?
⇒通常は昇給月から3か月の賃金を平均しますが、月の途中で昇給(時給アップ)した場合は、その翌月から3か月分を平均します。
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社会保険料の計算のもととなる「標準報酬月額」は原則として毎年9月から翌年8月まで同額です。ただし、一定の条件により期間の途中で変更することがあります。その手続きが月額変更届です。
月額変更届を提出する3つの条件
月額変更届は次の3つの条件をすべて満たしたときに提出します。
① 固定的賃金の変動
② 3か月とも支払基礎日数が17日以上
③ 3か月平均で2等級以上の変動
①の固定的賃金とは、基本給、役職手当など支給額や支給率が決まっている賃金のことです。時給アップも固定的賃金の変動に該当します。残業手当は固定的賃金ではありません。
②の「支払基礎日数」とは、月給制の場合は暦日数のことです。時給制の場合は出勤日数、有給休暇の日数などが支払基礎日数になります。固定的賃金に変動があった月以降の継続した3か月の支払基礎日数がすべて17日以上あることが必要で、17日未満の月が1月でもある場合は月額変更届に該当しません。ただし、従業員が常時51人以上規模の特定適用事業所に勤務する短時間被保険者は3か月とも11日以上あれば②の要件を満たします。
固定的賃金に変動があった月とその後2か月を合わせた、合計3か月の賃金の平均額を標準報酬月額表にあてはめて変動後の標準報酬月額を出します。3か月の平均の額を計算するときには、固定的賃金以外(残業代など)も含めたすべての報酬の額で計算します。変動後と現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じている場合は、月額変更届が必要です。
月の途中で時給アップしたときは
給与計算期間の途中で昇給したときは、昇給月からではなく、昇給後の賃金が丸々1か月分支払われた月から3か月間で算定します。10月1日昇給、賃金締日が毎月15日の場合は、10月16日から3か月分の賃金で計算します。
今年も最低賃金が大幅に上がっています。3か月後に月額変更届のチェックを忘れないようにしましょう。時給の昇給分は少額でも、残業手当などもあわせると2等級以上の変動に該当する場合もあります。