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同一労働同一賃金 遵守徹底へ監督強化

 厚生労働省は、各都道府県の労働局の行政運営の指針となる2024年度地方労働行政運営方針を策定しました。この方針の中で、同一労働同一賃金の遵守徹底に向けた取り組み強化が明記されました。

ポイントは待遇差が合理的かどうか

 具体的には、監督署による定期監督等において、正社員と非正規社員の待遇差の状況について企業から引き続き情報提供を受け、その情報を元に労働局が従来よりも積極的に指導監督を行っていきます。正社員との待遇差がある理由の説明が不十分な企業に対しては、監督署からの点検要請の集中的な実施や、支援策の周知をおこなうことにより、待遇是正に向けた企業の自主的な取り組みを促していく方針です。そのため、待遇差を設けている場合は合理的な理由を説明できるようにしておくことが大切です。

同一労働同一賃金の意味

 同一労働同一賃金とは、同じ業務をおこなうすべての社員について同じ賃金にしなければならないということではありません。正社員と非正規社員の「不合理な」待遇差を禁止するものです。不合理かどうかは、責任の程度や職種変更・転勤の有無などによって判断されます。また、同一労働同一賃金の対象には、賃金だけでなく福利厚生や教育研修も含まれている点にも注意が必要です。

待遇差が問題となる事例

 たとえば、業績に応じて支給している賞与について、正社員Aには支給するがAと貢献度が同等の非正規社員Bには支給しないケースは不合理で是正が必要となってきます。それに対して、目標達成ノルマがあり、未達成の場合待遇に不利益が課される正社員Xには賞与を支給し、ノルマが無い非正規社員Yにはその責任の程度を考慮して賞与を不支給とすることは、不合理ではないケースとなります。
 同一労働同一賃金実現への取り組みが手つかずの状態になってはいないでしょうか。まずは厚生労働省の「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」等を活用して、待遇差について点検をおこなうことから始めてみてはいかがでしょうか。

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