勤務間インターバルの導入事例
少子高齢化にともなう労働力不足や働き方改革への対応という観点から、「多様な働き方」を推進する企業が増えています。
今回は「勤務間インターバル」を導入している企業の事例をご紹介します。
企業の努力義務に
長時間労働を是正しワークライフバランスを実現するために2019年から勤務間インターバル制度が企業の努力義務となりました。しかし、導入企業はまだ少なく、厚生労働省は2025年までに導入企業の割合を15%以上にすることを目標としています。この制度は、1日の勤務終了後から次の勤務開始までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、労働者の生活時間や睡眠時間を確保しようとするものです。
16時間夜勤を8時間夜勤に変更
老人ホームを運営するA社では、12時間の休息時間を確保する勤務間インターバル制度を導入しています。きっかけは「14時間以上の連続勤務が健康に悪影響を及ぼす可能性がある」という調査結果を目にしたことです。16時間の夜勤体制を8時間夜勤に変更し、インターバル時間についてルール化をおこないました。具体的には、夜勤明けの時間外労働を禁止、翌朝7時に勤務が終了したら遅くとも7時30分までに退社することを徹底。夜勤職員は朝食介助をおこなわないことも取り決めています。
終了時刻ごとに翌日の勤務を設定
IT企業のB社は、インターバル時間を10時間と設定。勤務終了時刻によって翌日の勤務を設定しています。顧客先に常駐する従業員が深夜から早朝にかけてシステム入替作業をおこなう際など、インターバル時間の確保が難しいケースもあります。そのような場合は適用外として認め、別途休息を確保する対応をとっています。具体的には、作業当日の勤務開始時刻を17時30分からとする時差出勤等を認めることで、勤務開始前の休息の確保を促しています。同社の制度導入により、若手従業員の離職率低下につながったと感じているそうです。