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内部通報者への報復人事に刑事罰を検討

 消費者庁は、企業や官公庁の不正を告発した内部通報者への不利益処分に対し、刑事罰を導入する方針を示しました。この方針は、公益通報者保護制度検討会での議論を踏まえたものです。

現行法では抑止効果がない

 現在の公益通報者保護法では、不利益な処分を禁止する民事上の規定だけが設けられています。しかし、法律が施行されたから今日まで、公益通報を理由とする不利益な扱い、いわゆる報復人事が続いており、十分な抑止効果が得られていないことが問題視されてきました。
 そのため、事後的に救済するよりも、不利益な扱いを未然に防ぐ予防的な対応が重要だと考えられています。そこで検討会では不正を告発した内部通報者への不利益処分に対し、刑事罰を導入する方針を示しました。解雇と懲戒処分を刑事罰の対象にするとしています。

法人に対しては重い罰金

 罰則に関しては、不利益な扱いをおこなった個人だけでなく、事業者も対象とする両罰規定を設ける方向で検討が進んでいます。さらに、犯罪を抑止し再発を防ぐという刑罰の基本的な目的を達成するため、法人に対してより重い罰金を科す「法人重課」の導入も検討されています。

守秘義務違反にはすでに刑事罰

 こうした刑事罰導入の背景には、2020年の法改正で内部通報の担当者の守秘義務違反に刑事罰が設けられたにもかかわらず、公益通報を理由とする不利益な扱いには罰則がないという不均衡があります。
 消費者庁は、これらの対策により「報復人事」を恐れて通報をためらう人が減ることを期待しています。今後、検討会でさらに具体的な議論がおこなわれ、法改正に向けた準備が進められる見通しです。

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