外国人活用好事例 <職場環境の整備>
労働力人口が減る中、在留外国人労働者は過去最多の200万人を超えており、企業にとって外国人材の活用は重要な選択肢となっています。グローバル化の推進、イノベーション創出などのメリットも期待できる一方、言語や文化の違いから課題も多いのが実情です。
ここでは、厚生労働省の「外国人の活用好事例集」をもとに、外国人材の活用において参考となる取り組みを見ていきます。今回は職場環境の整備に関する取り組み事例をご紹介しましょう。
英語で相談できる環境づくり
異国の地で働く外国人社員は、大きなストレスを感じ、様々な悩み事が生じがちです。そのため、外国人社員が気軽に相談できる環境を整備することが大切です。
A社ではメンター制度を導入し、外国人社員に対して英語でコミュニケーションが取れる先輩社員を相談役として配置しています。以前は悩みがあっても相談しにくかったようですが、気軽に相談できるようになったそうです。
日本語キーワードで労災防止
言語の壁がある中で、いかに外国人社員の労働災害を防止するか、工夫に努める必要があります。たとえば、たとえば、労働災害防止に関する標識や掲示を、外国人社員の母国語で表記するなどの工夫です。
B社では、日本人社員が突発的に「危ない」「触るな」「よけろ」などの呼びかけをする際、外国人社員の母国語を用いるのは難しいため、外国人社員には安全衛生上のキーワードは日本語で徹底的に理解してもらうようにしています。
母国の休暇習慣への配慮
外国人社員の母国では、日本とは異なる時期に長期の休暇を取る風習がある場合があります。たとえば中国の春節は日本の正月とは時期がずれるため、中国人社員にとって日本の正月休みは必ずしも有用とは限りません。
C社では、中国人社員に対し、日本の正月期間中は中国の現地事務所で通常勤務をしてもらい、代わりに中国の旧正月の時期に長期休暇が取得できるよう配慮しています。このように外国人社員の母国の風習に合わせて柔軟に休暇制度を工夫することで、モチベーションの向上につなげることができます。