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カスハラから社員を守る【クレームの初期対応】

 顧客からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題になっています。従業員を守るという観点からも、企業がカスハラ対策に取り組むことは重要です。

クレームをカスハラに発展させないために

 顧客からのクレームをカスハラに発展させないためには現場での初期対応がポイントとなります。まずは誠意ある対応をしつつ、状況を正確に把握し、事実確認をする必要があります。

 厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、初期対応で注意すべきこととして次のような点をあげています。

① 限定的に謝罪する

 対象となる事実、事象を明確にしたうえで限定的に謝罪します。

 たとえば、「この度は不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありません」といったように、不快感を抱かせたことに謝ります。まだ正確に状況が把握できていない段階では非を認めたような発言をすることは望ましくないからです。

② 状況を正確に把握する

 今後顧客と連絡が取れるように、名前・住所・連絡先などの情報を得ておきます。その上で、顧客が主張する内容を正確に把握します。途中で発言をさえぎったり反論することはせず、まずは一通り事情を確認しましょう。話をじっくり聞くことで、顧客を落ち着かせることにもつながります。

 一通り事情を聞いた後、不明確な点や不足する情報があれば追加で勘違いがあるのであれば、正しい情報を提供します。

 話を聞く際は、冷静におだやかに対応しましょう。

③ 情報共有する

 顧客から確認した情報は、現場監督者または相談窓口対応者に共有します。

 相談対応者が正確かつ迅速に状況を把握するため、現場対応者は顧客の要望だけでなく、できるだけ事実関係を時系列で整理して報告する事が望まれます。

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 初期対応によってはカスハラに発展するのを防ぐことができますが、中には初期の段階から暴力行為やセクハラ行為を受けるケースもあります。そのようなときはすぐに現場監督者に引継ぎ、一人で対応しないようにすることが重要です。

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